なぜ大手企業は、スピーチジャパンの研修を実施したのか?
「本音を引き出すことができる話法」を、ある程度は身につけておくべき

- 三橋
- はじめに、「住宅営業にとっての『話す力』」というものを、中神社長はどのように重要視されていらっしゃるのか、お話いただけますか。
- 中神
- とにかく、お客さんのおっしゃっていることから、「本当に何を望んでいるのか」を引き出さなければならない。営業にとって、ここは重要。そのためには、テクニックも含めて「本音を引き出すことができる話法」を、ある程度は身につけておくべきと考えています。
話の表面だけを受け止めて住宅をつくってしまうと、どうなるか。後になって、お客さんから「違う」という声があがるようになってしまいますよね。そんな事態を防ぐためにも「話す力」は欠かせません。
- 三橋
- なるほど。「まずは聞いて、そして提案する」という営業スタイルですね。
- 中神
- そうです。「聞く」というのも、「表面だけ聞く」のではありません。「お客さんが本当に何を望んでいるのか」を聞く力を持っていないとダメなのです。住宅の営業にとって、そのような「ヒアリングのスキル」は本当に大事だ、と考えています。営業だけでなく、設計も施工も間接部門にも、しっかり身につけてほしい。常々そう思ってはいたものの、なかなか実現できるものではありませんよね。
「社内コミュニケーション」という意味でも、この研修を受けて大変よかった

- 三橋
- 弊社の研修を導入いただくにあたって、いろいろ検討されたかと思いますが、「最終的に導入の決断に至った理由」はどういったところだったのでしょうか。
- 中神
- 最終的に決断をしたのは、三橋さんと直接お会いして「この人ならウチにプラスになっていただける」と自分自身が思ったからですね。
それから、ウチの会社だけではなくて、同業他社さんにも共通した課題があります。それは、後になってお客さんから「プロとしての提案がない」「自分が言った通りのものをつくってくれたけれどもどこかが違う」といった反応が少なくないことです。
ですから、お客さんの夢、本当の思いや気持ちを聞き出して、それをふまえた上で、プロとしての提案をして、マイホームを一緒につくりあげていく。そういった力をつけたいずっと思い続けていました。この点でプラスになる研修なのではないかと感じて、決断をしました。
- 三橋
- ありがとうございます。研修がスタートして半年ほど経過しました。まだ最後まで終わっていませんが、「実際に見られた変化や新しい取り組み」など、何か感じられたことを教えていただけませんか。
- 中神
- バスの見学会での話になりますが、今までは「どこの誰です」という簡単な自己紹介をしている社員もいました。けれども、やっぱりせっかくの機会ですから「お客さんの印象に残るような自己紹介ができるようにしよう」という取り組みを、みんなが始めています。研修で教えていただいてもなかなか実践に踏み切れないものですが、「実践できるようになろう」という機運が高まりました。
間接部門の人たちも今までも、朝礼の時にスピーチの練習会を行なってはいたのです。ところが、さらに「みんなの印象に残るような自己紹介を」というテーマを掲げて、上司と一緒に練習するようになりました。「『てっぱん』をつくろう」と頑張っていますね。 - 三橋
- 『てっぱん』、すなわち「自分ならではの自己紹介」ということですね。
コミュニケーションという面では、お客さんとの間だけではなく、間接部門と直接部門の人間関係においてもさまざまな効果が生まれるといいなと思って研修をさせていただいています。そのあたりも、御社は大切にされていらっしゃいますよね。 - 中神
- そうですね。お互いに知らなかったこと、初めて聞くようなことが、スピーチの中から少しずつ出てくるようになってきました。「え?今まで彼はこんなことをしていたの?」というふうに。ですから、「社内コミュニケーション」という意味でも、この研修を受けて大変よかったなと思っています。
- 三橋
- ぜひ活用していただきたいと思います。研修では、短く簡潔に話す、論理的に話すということもお伝えしたのですが、そのあたりの変化はいかがでしょうか。
- 中神
- 私も昔から、そういうふうにせないかんということを言っているのですが、なかなか実践できませんよね。だから、引き続き三橋さんから教わることで、そこもきちっとできるような社員になってほしいし、そういう集団になりたいと思っています。
「ビジネスマンとしてのベーシックな力」を伸ばす一つの方法

- 三橋
- 私が常々お伝えしている話になりますが、「人生で大切なことは対面でしか起こらない」と思っています。特に住宅は高額商品ですから、お客さんは、面と向かって会ってきちっと営業パーソンとの信頼関係を築いて初めて、人生で大切な住宅の購入を託すのではないでしょうか。
- 中神
- その通りです。営業だけではなく、設計もインテリアコーディネーターも施工のスタッフも、お客さんと会ってお話をさせてもらうわけですから、間接部門も含めて全員が「話す力」を磨かなければなりません。
- 三橋
- 実際に何回か実際の研修をご覧いただきましたが、弊社の研修は、特に「どんな会社のどんな階層にお薦めしたい」と思われますか。
- 中神
- どこの会社にとっても、コミュニケーションやトークがきちっとできる能力は重要。ですから「ビジネスマンとしてのベーシックな力」を伸ばす一つの方法として、業種や階層などを限ることなく思い切って研修を受けてみては、と思います。
- 三橋
- ありがとうございます。最後に、御社の今後のビジョンをお聞かせいただけますか。
- 中神
- トヨタホーム東京としては、なによりも、「トヨタホーム東京で建てて本当に良かった」とお客さんに言っていただけるような会社になりたいと思っています。ハード面だけではなく、お客さんとのお付き合いというソフト面も含めて、そう感じてもらいたいのです。
- 三橋
- 本日はどうもありがとうございました。